2021年のミスターオリンピア、オープンボディビルで優勝したのは、前評判の通りビッグ・ラミーでした。
ですが、その勝利は昨年のような圧倒的なものではなく、2位のブランドンとの接戦となりました。
また、ハンター・ラブラダやニック・ウォーカーなど新たな面々が上位に食い込み、時代の移り変わりを感じさせる大会でもありました。
今回は、そんな2021ミスターオリンピアオープンボディビルの結果をお伝えしていきます。
[adchord]2021ミスターオリンピア、オープンボディビルの結果
オープンボディビルの全ての結果とスコアを示します。
順位 | 名前 | 予選スコア | 決勝スコア | 合計 |
---|---|---|---|---|
1 | マンドゥ・エルスビエイ | 7 | 5 | 12 |
2 | ブランドン・カリー | 8 | 11 | 19 |
3 | ハディ・チョーパン | 15 | 14 | 29 |
4 | ハンター・ラブラダ | 20 | 20 | 40 |
5 | ニック・ウォーカー | 24 | 25 | 49 |
6 | ウィリアム・ボナック | 30 | 30 | 60 |
7 | イアン・ヴァリエール | 35 | 35 | 70 |
8 | ジャスティン・ロドリゲス | 40 | 42 | 82 |
9 | アキム・ウィリアムス | 49 | 48 | 97 |
10 | モハメド・シャーバン | 53 | 47 | 100 |
11 | ローリー・ウィンクラー | 51 | 55 | 106 |
12 | ジェイムス・ホリングスヘッド | 60 | 65 | 125 |
13 | ハッサン・ムスタファ | 65 | 62 | 127 |
14 | パトリック・ムーア | 70 | 68 | 138 |
15 | リーガン・グライムス | 75 | 75 | 150 |
16 | アンドレア・プレスティ | 80 | 80 | 160 |
ビッグ・ラミー王朝の到来〜2連覇を達成
ご存知のとおり、2021ミスターオリンピアはビッグ・ラミーが2連覇を達成しました。フィル・ヒース以来の連続チャンピオンの登場です。
今回のラミーは王者としての貫禄を持ってステージに登場しました。歴代でも最も広いと思われる広背筋、そして一般人の胴体ほどもある太腿は今年も健在。
そして、唯一心配されていたコンディションも昨年と同じくしっかりと絞りきっていて、今年の勝利は万全という感じでした。
これはラミーの圧倒的な勝利かなとも思ったのですが、ブランドン・カリーがそれを許しませんでしたね。今年のブランドンはもともと素晴らしかった上半身をさらに進化させてきました。
昨年はコンディションが少し甘かったですが、今年はそこを改善してきて、昨年よりも肩や腕、胸の膨らみが増していて、筋肉に張りもありました。
スコアを見ても予選の時には1点差しかつかないくらいにラミーに迫っていたのですが、下半身の差でしょうか、結果的には第2位という結果でしたね。
ラミーとブランドン両方の強みが一緒に見られたのがサイドポーズで、ラミーは下半身の大きさとコンディションの良さが目立っていて明らかにブランドンに優っているのがわかるし、ブランドンは上半身のコンディションの良さと筋肉のはり、腕や肩の大きさとウエスト周りの美しさが際立っているのが分かります。
同じポーズなのに両者が全く違う魅力を放っていて面白いなーと思いましたね。
3位につけたハディは今回、コンディション的には一番素晴らしかったですね。サイズは去年と同じか少し小さくなっていたかもしれませんが、体全体の筋肉の立体感とメリハリは素晴らしかったです。
また2度目のピープルズチャンピオンにも選ばれて、人気の高さを伺えましたね。
第4位にはハンター・ラブラダが入りました。大会前では予想していなかった高順位でしたね。
ハンターはものすごいサイズアップされていて、特にラットスプレッドの時の背中の広さはトップ3と競えるくらいに素晴らしかったです。
アーノルドクラシックで優勝したニック・ウォーカーは初のオリンピアで第5位という快挙を成し遂げました。
デビューしてデビューして間もない選手がオリンピアで5位以内に入るのはフィル・ヒース以来で、本当にとんでもない才能の選手が登場したなという感じです。
この4位、5位の争いも今回見ていて面白かったですね。正面から見た時はニックの腹筋の立体感や深いカットが入った太腿のかっこよさが目立っていますが、ハンターは、背中をはじめとしてトータル的な大きさがありましたね。
ハンターに対する、「えっ、デカくね?」という驚きが今回の勝敗にも影響を与えたような気がします。
オリンピア上位の常連だったウィリアム・ボナックは第6位でしたね。今回トップに入っている選手が本当に大きな選手ばかりで、いつもはコンパクトながら密度や立体感で競えていたウィリアムが、明らかに小さく見えてしまっていたことに驚きました。
ウィリアムが大きな選手と戦うにはコンディションの良さが必要不可欠だと思うのですが、今回は例年と比べると少し甘かったのかなと思いました。他の選手と比べるとそこまで悪いわけではないんですけどね。ウィリアムがトップを狙うには足りなかったという感じでしたね。
続いてはイアン・ヴァリエールとジャスティン・ロドリゲスというオリンピアではまだ新しい顔ぶれが、7位、8位の中間位つけてきました。
昨年までこの位置にいたアキム・ウィリアムスは第9位、そして2年ぶりの復帰となったローリー・ウィンクラーは11位と、新たな時代の面々に負けてしまうという結果でした。
ハンターやニックを含め、新しい世代の選手たちの台頭を感じさせたのも今回の大会では印象的ですね。
今回は背の高い選手やプロポーションが武器の選手が軒並み下位に位置していましたね。
モハメド・シャーバン10位、ジェイムス・ホリングスヘッド12位、パトリック・ムーア14位、リーガン・グライムス15位、アンドレア・プレスティ16位。個人的にはこれらの選手が並んでいたフォースコールアウトは好きだったのですけどね。
時代が美しさではなく迫力を求めているというのもあるとは思うのですが、これらの選手がコンディションがイマイチだったのもこの順位の原因の一つだと思います。
なのでコンディションをピークに持って行って更にはもう少し体に立体感をつけることができたら、もっと上位も狙えるのではないかとは思いました。
最後になってしまいましたが、規格外の大きさで注目を集めたハッサン・ムスタファは第13位でした。