Hadi Choopan優勝!~2022ミスターオリンピアの結果【ボディビル】

ミスターオリンピア2022

2022年12月16日から18日の間に開催されたミスターオリンピア。

その中のオープンボディビルカテゴリには28人と過去最多の選手が出場し、その中の14人の選手がオリンピア初出場ということで、こちらの人数も過去最多。

去年にも増して新しい世代への移行を予感させるオリンピアだったわけですが、結果として正に世代交代がなされたオリンピアになったと思います。

今回の記事では、全く予想外のことが起こったオリンピアの結果をお伝えしていこうと思います。

1日目プレジャッジ

個別ポージング

オリンピアプレジャッジではまず、選手が一人一人登場して、簡単なポージングを披露します。選手紹介ですね。

© OlympiaTV/Hadi Choopan

まず登場したのは昨年3位のHadi Choopan。
毎回コンディションがいいHadiですが、今回もめちゃくちゃいいです。

© OlympiaTV/Andrew Jacked

2番目に登場したのがAndrew Jacked。今年デビューしたばかりのルーキーですが、プロポーションやアウトラインの面で才能が爆発しており第注目を浴びている選手。

サイズ面ではアーノルドUKとあまり変わっていませんが、コンディションはアーノルドの時よりよくなっています。

Tonio Burton、James Hollingshead、Vladyslav Sukhoruchko、Antoine Valliantoと続いて、次の登場したのがDerek Lunsford。

© OlympiaTV/Derek Lunsford

SNSで大幅にサイズアップした姿を見ていたので、ステージではどうかと楽しみにしていたのですが、登場したDerekの成長度合いに度肝を抜かれました。

解説もあまりの衝撃に「Oh….Oooooh hahahaha」と言葉を無くしていました。

最初のリラックスポーズで両脇から飛び出すように現れた広背筋の大きさに目を奪われました。
コンディションもHadiと甲乙つけ難いほど良い。これは予想以上ですね。

© OlympiaTV/William Bonac

次に登場したのが私の大好きなWilliam Bonac。
今回上位復帰を期待していたのですが、登場したときの印象は良くも悪くもいつものBonacだなという感じ。 たしかに足など少しサイズアップした感じもしましたが、驚くような変化はみられませんでした。これは順位に悪影響が出る予感。

Vitor Boff、Patrick Johnson、Andrea Presti、Charles Griffenと続いたあと登場したのはIain Valliere。

© OlympiaTV/Iain Valliere

大きな上半身とカッコいいシルエットを持っていますがコンディションが安定しないという印象のIain。

ですが今回はコンディションがよいです。かなり絞れているように見えた。が少し疲れているようにも見えました。

© OlympiaTV/Nick Walker

続いて登場したのはNick Walker。
昨年よりもサイズ、コンディションともにグレードアップした体で登場。
ポージングも安定していて見応えがあります。これはかなり上位が期待できそう。

© OlympiaTV/Michal Krizo

次に登場したMichal Krizoはその大きさが驚異的に感じました。
身長が高いのにサイズもデカいので、他の選手よりも一回り大きく見えますね。
コンディションも今まで出た大会の中で、最も良いのではないでしょうか。

Justin Rodriguez、Hohamed Shaabanと続いて、登場したのがAkim Williams。

© OlympiaTV/Akim Williams

今回下半身のコンディションをかなり仕上げてきているように見えました。
だけど武器であるはずの広背筋の大きさが目立たなくなっていたような印象。

Theo Leguerrierに続いて登場したBrandon Curryは課題であった下半身のサイズがかなり改善されていたように思いました。

© OlympiaTV/Brandon Curry

上半身の大きさは相変わらず素晴らしいです。ただコンディションはあまりいいわけではなかった。特に背中の水っぽさが気になりました。

© OlympiaTV/Hunter Labrada

続いて昨年4位のHunter Labradaが登場。
前面のコンディションがすばらしいですね。肌が筋肉に張り付いているドライな質感が感じられました。

サイズも昨年よりもアップしているように見えます。

© OlympiaTV/Rafael Brandao

続いてはBrandonの順位予想で上位に来ていたRafael Brandaoは現在のオープンクラスでは珍しいクラシックな体系で登場。

今まで登場した選手の中では一味違う魅力を放っていて自然に目を引かれました。

© OlympiaTV/Blessing Awodibu

Joel Thomas、Mohammad Alnsoorと続いて、その次、Blessing Awodibuは逆立った髪のてっぺんをオレンジに染めた、異端児的な出で立ちで登場。
New York Proの時よりもサイズアップしていましたがコンディションは少し甘めに感じました。

Andrea Muziに続いて登場のSamson Dauda。

© OlympiaTV/Samson Dauda

SNSなどでサイズアップした姿は確認していましたが、ステージで見る姿は予想以上ので驚きました。
コンディションは若干甘かったがウエストのタイトさは維持したまま、迫力のあるサイズを見せつけていました。

そして最後に登場したのはチャンピオンBig Ramy。

© OlympiaTV/Big Ramy

登場した瞬間はその圧倒的な大きさにこれは今年もやっぱりBig Ramyかと思いました。
普通に立っているだけで腹筋がくっきり見えており、サウドチェストではお尻や大腿四頭筋のカットもくっきり出ていてコンディションも全然悪くないように見えました。

ところがご存知の通り、まさかの結果になるんですよね。

比較審査

プレジャッジではまず番号順にいくつかのグループ分けて、比較審査をした後に、上位の選手から呼ばれて比較審査が行われます。

上位グループから順番に1stコール、2ndコール、3rdコールと続いていき、今回のオリンピアでは5thコールまでありました。

1stコール

© OlympiaTV / 左からNick, Derek, Hadi, Brandon, Samson, Ramy

1stコールで呼ばれたのは、Hadi Choopan、Derek Lunsford、Nick Walker、Brandon Curry、Samson Dauda、Big Ramyの6人。

DerekとSamsonがファーストコールに入るのは全く予測できていませんでしたが、体を見れば納得せざるを得ません。

二人とも、大会前では想像できないほどの変化を遂げていました。SNSで確認していたとはいえ実際のステージでみるとその変化の大きさは段違い。

そして、このファーストコールでセンターポジションを制していたのはHadi ChoopanとDerek Lunsford。

212出身であるHadiとDerekがオープンクラスでトップ争いをしているという、オリンピアで今までなかったであろうことが起こっていました。

何度かポジションの変更がありながらBrandonやNickがセンターになることもありましたが、個人的には今年も優勝かと思っていたBig Ramyは、なんとずっと端のポジションで、そこから動くことはありませんでした。

前回チャンピオンがセンターに来ないのも前代未聞のことで、これもまた驚きました。

Big Ramyの三連覇は間違いないと思っていましたが、この時点で波乱の予感しかありません。

2ndコール

©OlympiaTV / 左からRafael, William, Andrew, Hunter, Iain, Michal

2ndコールで呼ばれたのは、Andrew Jacked、Hunter Labrada、William Bonac、Iain Valliere、Rafael Brandao、Michal Krizoの6人。

やはり今回のラインナップでWilliamは1stコールに呼ばれませんでした。残念。

このグループでセンターにつけたのはAndrew JackedとHunter Labrada。

Andrewの存在感は一歩抜きんでていたように思いました。

自分はHunterもファーストコールに予測していたので、ここにいることに驚いています。今回驚いてばかりで忙しい。

そしてRafaelの存在も見逃せない。このサイズでセカンドコールに呼ばれているのは本当に素晴らしいと思います。

3rdコール

©OlympiaTV / 左からPatrick, Antoine, James, Charles, Justin, Akim

3rdコールに呼ばれたのは、Charles Griffen、James Hollingshead、Justin Rodriguez、Antoine Valliant、Akim Williams、Patrick Jonsonの6人。

このグループで目にとまったのはCharles Griffenですね。もともと好きなタイプの選手だったので注目していたのですが、やはりよかった。

特に背中の広さと厚みに優れていたと思います。またバキュームができるほどのウエストのタイトさ、プロポーションの良さも光ってました。

背中の強みではJustinも負けてなかったですね。

でもこのグループではCharlesとJamesがセンターをキープしていました。最後のほうにはPatricもセンターに来ていました。

4thコール

©OlympiaTV / 左からTonio, Vladyslav, Blessing, Joel, Mohamed, Mohammad

4thコールはTonio Burton、Mohamed Shaaban、Vladyslav Sukhoruchko、Joel Thomas、Blessing Awodibu、Mohammad Alnsoor。

このグループの中では全体的なバランスやサイズ面で秀でていたJoelと、プロポーションの良さと背中の立体感が優れていたBlessingがセンターをキープ。

個人的に注目していた212からの挑戦者Tonioは一番端のポジションでした。

5thコール

©OlympiaTV / 左からVitor, Andrea Presti, Theo, Andrea Muzi

最後の5thコールでは残りのAndrea Presti、Theo Leguerrier、Vitor Boff、Andrea Muziが呼ばれました。

私の予測ではAndrea Prestiはもっと上の順位だと思っていたのですが、ステージ上で見るとほかの選手にくらべサイズが足りていないこともあり、5thコール。

でもこのグループではセンターをキープしていました。

2度目の2ndコール

©OlympiaTV / 左からWilliam, Samson, Hunter, Andrew

5thコールが終わった後、2度目の2ndコールとして、Samson Dauda、Andrew Jacked、Hunter Labrada、William Bonacが呼ばれました。

これは1stと2ndの境目にいる選手を比較するためのコールですね。

ここではSamsonとHunterがセンターで競うことになりました。

バランスやコンディションではHunterが勝っていたように思いますが、胸や背中の厚みとプロポーションとサイズのコンビネーションから来る見栄えの良さでSamsonのほうが評価される結果となりました。

Samsonはそのまま2度目の1stコールに呼ばれます。

2度目の1stコール

©OlympiaTV / 左からSamson, Derek, Hadi, Brandon, Big Ramy, Nick

1度目と全く同じメンバーで2度目の1stコールが行われました。これで最終的なプレジャッジの結果がついたのでしょう。

最初にHadiとBrandonがセンター、その一つ外側がDerekとRamy、いちばん外側にSamsonとNickという並びでした。

規定ポーズを一巡すると並びが変わって、センターはHadiは変わらず、そしてDerekがセンターに入りました。そしてその外側がBrandonとNick、いちばん外側にSamsonとRamyという並びに。

この時点でプレジャッジではHadi 1位が濃厚となりました。2位はDerekか。

最後にもう一度並びが変わって、BrandonとNickがセンター、その外側がHadiとDerek、いちばん外は変わらずという並びに。

これはBrandonとNickの3位比較であったと思われます。

プレジャッジでは結局最後までRamyがセンターになることはありませんでした。

これはRamyの優勝はほぼなくなったと感じました。

2日目ファイナル

比較審査

二日目ファイナルの比較審査。ここで本当に最終的な順位が決定します。

プレジャッジの結果と大きく変わることは稀ですが、二日制のオリンピアではプレジャッジとファイナルでコンディションやパンプを改善させることが可能なので、逆転の可能性があります。またその逆もしかりです。

1stコール

©OlympiaTV / 左からSamson, Nick, Hadi, Derek, Brandon, Big Ramy

ファイナルの1stコールで呼ばれたのは1日目と同じくHadi、Derek、Brandon、Nick、Samson、Ramyの6人。

そしてセンターはHadiとDerek。1位2位がこの二人になる可能性はこの時点でかなり濃厚に。コンディション面でもこの二人は1日目と同じく最高のものを持ってきていました。

その一つ外側にはBrandonとNick。Brandonは1日目よりも少しコンディションがよくなったように見えました。

SamsonとRamyは一番外側。

このコールでのポージング中、Ramy以外の5人の選手はエキサイトしてジャッジに詰め寄りながら自分を強くアピールしていたのに対し、Ramyだけが端であまり動かずにポージングしていたのが気になりました。

また、ポージング中に少し体がぐらつくことがあったり、ポージングの間に不自然に左足を大きく上げるような動作も見られて、どこか痛めているのかなと感じました。

2ndコール

©OlympiaTV / 左からIain, William, Andrew, Hunter, Michal, Rafael

2ndコールも1日目と同じく、Andrew、Michal、William、Hunter、Iain、Rafaelの6人でした。

センターに立ったのはAndrewとHunter。その外側にWilliamとMichal、いちばん外側がIainとRafaelです。

センターの二人は全く違うボディタイプですが、確かに拮抗しあっていて難しくも面白い勝負だと思いました。

途中でRafaelとMichalがポジションを交換。サイズでは圧倒的にMichalのほうが大きいが、Rafaelのほうが評価されている。これもボディビルの面白さですね。

ボディビルの奥深さと面白さが感じられるグループだと思いました。

3rdコール

©OlympiaTV / 左からAntoine, James, Patrick, Charles, Justin, Akim

3rdコールもメンバーは変わらずで、 Patrick、Charles、James、Justin、Antoine、Akimの6人。

1日目最後にセンターだったPatrickとCharlesがファイナルでは最初にセンター。JamesとJustinが後に続き、AntoineとAkimが一番端のポジションでした。

高身長の選手が固まっているこのグループなかなか見ごたえがあります。

サイズの面でも実力派拮抗しているように見えましたが、よりウエストがタイトでプロポーションがよい二人がセンターに来ている感じでした。

個人的にはAkimはJamesよりよく見えましたね。

4thコール

©OlympiaTV / 左からBlessing, Joel, Mohamed, Mohammad

4thコールはプレジャッジよりも人数が減って、Blessing、Mohamed Shaaban、Jeol、Mohammad Alnsoorの4人でした。

センターはMohamedとJoel。BlessingとMohammadが外側でした。

Blessingはプレジャッジよりも評価を落としてしまったでしょうか。やはりコンディションが悪さが影響していると感じました。

逆にMohamedはプレジャッジよりも評価が上がったようでしたね。

5thコール

©OlympiaTV / 左からAndrea Presti, Theo, Andrea Muzi

5thコールも人数が減って、Theo、Andrea Presti、Andrea Muziの3人でした。

個人的にはAndrea Prestiがよかったように思いますが、センターはTheoでした。

2度目の1stコール

©OlympiaTV / 左からNick, Derek, Hadi, Brandon, Samson, Big Ramy

1度目と全く同じメンバーで2度目の1stコールが呼ばれました。

ここでの並びはまず左からNick、Derek、Hadi、Brandon、Samson、RamyでしたがすぐにRamyとNickが入れ替え。

しかしやはりここでもHadiがセンターをキープする形となり、Hadi優勝の可能性がまた一段の濃くなった印象でした。

ところが最後の最後のポジション変更で遂にRamyがセンターになります。そしてNickもこの日初のセンターポジションに。

©OlympiaTV / 左からHadi, Derek, Big Ramy, Nick, Samson, Brandon

これはヘッドジャッジであるSteve Weinbergerによる粋な計らいでしたね。

ここでがっつりRamyとNickを見くべることができたのですが、驚くべきことにNickはもう大きさでもRamyに全く引けを取ってなかったです。

本当にとんでもないルーキーが現れたものだと思います。

順位発表

ステージ上にトップ10の選手達が呼ばれ、ポーズダウンの後にいよいよ順位が発表されます。

順位発表は5位からです。それでは結果をどうぞ!

第5位 Big Ramy

©OlympiaTV / 5位 Big Ramy

なんと昨年チャンピオンのBig Ramyが第5位!

いや、比較審査の時点でなんとなくわかっていたとは言え、これは衝撃的でしたね。

長いオリンピアの歴史の中でも、連覇中のチャンピオンが5位まで順位を落としたことは初めてのことです。

個人的な感想を言えば、BrandonやNickと比較した時に、決してRamyは劣っていなかったと思います。3位という順位がついても違和感はありませんでした。

ただBrandonもNickも昨年より明らかに進化していました。それに対してRamyは昨年とほとんど変わっていなかった。

それがBrandonやNickよりもRamyの順位が下になってしまった原因なのかなと思っています。

第4位 Brandon Curry

©OlympiaTV / 4位 Brandon Curry

そして昨年2位だったBrandon Curryが第4位という結果に。

前年のTop2が揃ってここまで順位を落とすなんて想像できないですよね。

Brandonは昨年よりも弱点である足が強化されていて、その部分は評価されていたと思います。結果としてRamyよりも上の順位にはなりましたが、それでも足が弱みになってしまうことは変えられなかったかなと。

今年のトップの選手たちは皆ほとんど弱点がない体をしていたので、一つでも弱点があるBrandonが順位を落としてしまう結果となりました。

肩や腕の大きさ、また背中の厚みなど上半身に関してはトップを争っていたと思いますが、その上半身も少しコンディションがよくなかったかなと感じました。

もう少し絞れていたらまた違う結果だったのかもしれません。

第3位 Nick Walker

©OlympiaTV / 3位 Nick Walker

新世代代表のNick Walkerが今年第3位にまで順位を伸ばしてきました。

私の予測では今年は4位で、トップ3に食い込んでくるのは来年以降だと思っていたのですが、この男はそんな予想を軽く超えてきます。

2度目のオリンピアにして世界のトップ3にまで上り詰めてきました。

Nickは昨年からさらにそのモンスター的なサイズを強化して、今年はBig Ramyに並び立つほどのサイズを手に入れていました。

それでいて、コンディションもしっかりと仕上げられており、明らかに昨年よりも進化した姿を見せていました。

これだけの進化を見せても3位にとどまった理由としては、上位二人がもっとすごい体だったからとしか言えないですね。

第2位 Derek Lunsford

©OlympiaTV / 2位 Derek Lunsford(写真左)

212クラスの前年チャンピオンDerek Lunsfordがオープン挑戦1年目にして2位という快挙。

これは本当に驚きました。しかし同時に納得せざるを得ない。なぜならばそれほどDerekのパフォーマンスが素晴らしかったからです。

まず、本当の最初、1日目の個別ポージングで登場した瞬間に見ていた全員の度肝を抜いたと思います。

ウエストはこのトップ5の中で最も細いのに、それでいて背中の大きさはトップを争うほどに大きい。このコントラストはヤバいです。

さらにお尻にまでストリエーションがバリバリに入るほど、絞り切ったコンディションも今大会トップクラスだったと思います。

昨年が212クラスだったというのもありますが、この進化の度合いは本当に衝撃的でした。

この驚異的な進化を経て、来年、どんな姿を見せるのかもとても楽しみですね。

第1位 Hadi Choopan

©OlympiaTV / 1位 Hadi Choopan

そして今年の優勝は、Hadi Choopanでした!

歴代17人目のミスターオリンピアの誕生です。

今年のHadiは正に最強でした。NickやDerekが驚異的な進化を遂げて挑んできましたが、Hadiはその上を行く体を持ってきました。

中でも背中の進化が凄まじく、大きさと厚みは他の選手を圧倒していました。昨年まではBrandonとは甲乙つけ難い勝負をしていましたが、今年に関しては間違いなくHadiの背中が勝っていました。

Derekの背中も大きくて本当に素晴らしかったのですが、Hadiの背中は厚みが違っていました。

もちろんその他の部位においても全く弱点はなく、コンディションにおいてもトップクラスでした。

Hadiはイラン出身ということで、オリンピアに出場するにも、何年もVisaが取得できずに断念していた年がありました。

当然言語も違いますので、オリンピアに出場するということは、さまざまな面でハードルが多かったようです。

その苦労を乗り越えて、自らの体が世界で最高のものだと証明できた喜びは、格別のものがあったのでしょう。

優勝が決まった瞬間、崩れ落ち涙を流している姿を見て、そう感じました。

この波乱を制したHadi Choopanが、来年以降、新たな世代達が猛追してくる中どのような活躍を見せるのか、非常に楽しみです。

©OlympiaTV

6位以下の順位

6位以下の選手は以下の通りです。

  • 第6位 Samson Dauda
  • 第7位 Hunter Labrada
  • 第8位 Andrew Jacked
  • 第9位 William Bonac
  • 第10位 Rafael Brandao
  • 第11位 Iain Valliere
  • 第12位 Michal Krizo
  • 第13位 Patrick Johnson
  • 第14位 Charles Griffen
  • 第15位 Justin Rodriguez
  • 第16位 James Hollingshead
  • 第16位 Antoine Valliant
  • 第16位 Akim Williams
  • 第16位 Mohamed Shaaban
  • 第16位 Joel Thomas
  • 第16位 Blessing Awodibu
  • 第16位 Mohammad Alnsoor
  • 第16位 Theo Leguerrier
  • 第16位 Andrea Presti
  • 第16位 Andrea Muzi
  • 第16位 Tonio Burton
  • 第16位 Vladyslav Sukhoruchko
  • 第16位 Vitor Boff

16位以下には順位はついていませんが、比較審査の立ち位置を参考に大体の順番で並べてみました。

第6位に入ったSamson Daudaは素晴らしかったですね。オリンピア初出場で6位はかなりの快挙だと思います。

プロポーション派の選手がオリンピアでここまで上位に入るのはなかなかないので、さらに上位を目指して頑張ってほしいですね。

デビュー1年目でオリンピア初出場のAndrew Jackedは第8位と健闘。でもまだまだ上の順位にいける才能を持った選手なので来年以降が楽しみですね。

私の大好きなWilliam Bonacは第9位と残念な結果になってしまいました。もともとコンパクトなBonacがサイズアップしても、トップ選手に対抗するのは難しいと感じましたね。
やはりBonacは高密度な筋肉とコンディションを武器にするのが良いかもと思いました。

Rafael Brandaoの10位という順位もよかったですね。
大きさが追い求められている現在のオープンボディビルで、整ったバランスによる美しさで勝負をしたRafaelにこの順位がついたのはオープンボディビルの幅を広げるという意味で、画期的な結果だったのではと思いました。

エリートプロから参戦のMichal Krizoは第12位という結果でした。
IFBBがプロリーグとエリートプロに分裂してから初の出来事ということで、ボディビル史に残る大会でしたね。
体的にもプロリーグで全く退けをとっていなかったので、来年以降が楽しみです。

まとめ

いやぁ、今年のオリンピアめちゃくちゃ盛り上がりましたね。

28人という最大規模の人数が参戦して、前年と比べて大きな順位変動がありました。

Derek LunsfordとNick Walkerという若い世代の選手が2位、3位というトップの順位になり、Big Ramy、Brandon Curryという昨年までのトップが順位を落としました。

強力な新世代が台頭してきた中で、進化を遂げ最高の体で優勝したHadi Choopan。彼自身も2019年オリンピア初出場の新しい世代の選手の一人です。

Samson、Andrew、Hunterなど来年以降さらに順位を上げてきそうな選手達も控えています。完全に世代交代がなされた年になったと感じましたね。

ただBrandonやRamyは順位を落としてしまいましたが、まだまだこれで終わりにはならないと思いたいですね。

来年、まだまだ若い奴には負けんぞという姿を見せてくれることを期待しています。

ということで、2022年オリンピアの結果をレポート的にお伝えしました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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