初のオープンボディビルカテゴリが開催されたPittsburgh Pro 2025で、 2025年Arnold Classicのチャンピオンで2023年Mr OlympiaのチャンピオンでもあるDerek Lunsfordが優勝しました。
大会復帰戦となるNick Walkerは最後の最後までDerekと競いましたが、惜しくも2位でした。
Derek Lunsford、アーノルドクラシックに続いて優勝
この日のDerek Lunsfordは3月のアーノルドクラシックと比較して、
決してベストな状態ではありませんでした。
昨年のオリンピアのときのように、足が少し小さく見え、存在感が薄れているように感じました。
しかし、コンディションは高いレベルで整えられており、
いつものように、お尻にまでストリエーションが入った、
素晴らしいコンディションを見せました。
対して、Nick Walkerは復帰戦にもかかわらず、
これまでで最高の仕上がりを持ってきたように見えました。
サイズは相変わらず素晴らしいのですが、
批判されがちなウエストのサイズも、年を追うごとにタイトになっているように見え、
この大会では最も引き締まったウエストを持ってきました。
絞りもNickはどの大会でも常によいのですが、
今回は、お尻のストリエーションも見えて、いつにもまして良かったように思います。
印象として、「相変わらず素晴らしいがベストではないDerek」 VS 「過去最高のNick Walker」
という戦いになり、私も含め、多くの人がNick優勢だと感じたようですが、
結果としては、Derek Lunsfordの勝利となりました。
プロポーションの重要性
今回、決してNickがDerekに劣っていたということはないと思います。
実は、スコア的にも、プリジャッジではDerek:8, Nick:7、決勝ではDerek:7, Nick:8で、
完全なドローでした。これは結構珍しいことです。
2人の戦いはタイブレークラウンドまでもつれ、
最終的にはDerekに軍配が上がりましたが、この結果はなにが理由なのでしょうか
プロポーションの差かなと思います。
Nickはかなり改善してきているとはいえ、やはりウエストが大きく
また手足の長さを見てもプロポーションには恵まれていません。
対して、Derekはウエストが細く、身長は高くありませんが、
腰の位置が高く優れたプロポーションを持っています。
現オリンピアチャンピオンであるSamson Daudaを筆頭に
今にオープンボディビルはプロポーションの優れている選手がより評価される大会になっているように感じます。
今回の結果はDerekのプロポーションがNickの最高のパッケージよりも評価されたということでしょう。
それでもNick Walkerはすばらしいボディビルダー
Nickのような選手にとってはなかなか厳しい風潮ではありますね。
私もプロポーションが良い選手がタイプなので、Nickの体形はあまり好みではありません
ただ、Nick Walkerのボディビルに取り組む姿は、
自信を微塵も隠さないビッグマウスでありながら、
今のボディビルの流れを読んで、ウエストの改善に務める柔軟さもあり、
怪我をしても、黙々と実直に自身の体を改善していく硬派な面も持ち合わせており、
まあ一人のアスリートとしてめちゃくちゃカッコいいですよね。
事実としてアーノルドを優勝した選手と互角の戦いをする実力を今回示したわけなので、
依然として世界のトップに君臨する力を持っているということです。
今後のどこかの大会で優勝し、必ず今年のオリンピアへの出場権を獲得することでしょう。
今年こそ、オリンピアの舞台でNickの姿を見たいですね。
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