【ボディビル】山岸秀匡選手が再びミスターオリンピアに挑戦!
山岸秀匡選手は日本で唯一のIFBBプロボディビル選手です。
日本の代表として世界で活躍している山岸選手ですが、自身のInstagramで「2019年はまたミスターオリンピアの舞台に立ちたい」というポストをしていました。
もしこれが実現すれば、2016年以来3年ぶりのミスターオリンピアということになります。
またオープンクラスという話になると2012年以来になるので、実に7年ぶりに日本人がミスターオリンピアのオープンクラスの舞台に立つことになります。
世界で最も名誉のあるボディビル大会であるミスターオリンピア、今回はその大会に日本の選手が出場するにはどんな道のりを歩む必要があるのかを、山岸選手の歴史を交えてお伝えしたいと思います。
プロカードの取得
ミスターオリンピアに出場するためには、まず前提としてIFBBのプロ選手になる必要があります。
そしてIFBBプロ選手になるには、IFBBが発行するプロカードを取得する必要があります。
現在は全世界で年間50回ほど開催されているプロクオリファイの大会に出場し、オーバーオールで優勝、もしくは好成績を収めることでプロカードを取得することができます。
しかし、山岸選手がプロを目指していた2000年前後の頃は、まだプロクオリファイという大会はありませんでした。
この頃はプロカードを取得するためには、まず日本で開かれているボディビル大会でクラス別優勝しなければなりません。それができると、アジア地区で開かれているIFBBのアマチュア大会への招待を受けることができるようになります。この大会でオーバーオール優勝することでようやくプロカードを取得することができました。しかもそれぞれの大会は1年に1度しか開催されません。今と比較すると、プロになるためにはかなり厳しい道を乗り越えていく必要があったのです。
山岸選手は、1998年JBBFのジャパンオープンで1位を獲得し、2001年に開催されたIFBBミスター・アジア大会で優勝しプロカードを獲得しました。
山岸選手は日本で唯一この試練を乗り越えてIFBBプロになった選手なのです。
ミスターオリンピアへの道
険しい道を乗り越えプロになった選手でも、いきなりミスターオリンピアに出場することはできません。
ここでもまたクリアしなければいけない条件があるのです。
この条件は順次改定されていっており、山岸選手が初めてオリンピアに出場した2007年当時の条件の詳細はわかりませんが、少なくともIFBBが開催する世界大会で上位の成績を収めていなければ、オリンピアに出場することができないのです。
山岸選手は2006年のIFBBサンフランシスコ・サクラメント・プロで3位入賞を果たし、オリンピア出場の権利を獲得しました。
ミスターオリンピアへの出場とアーノルドクラシックでの優勝
2007年、初めてミスターオリンピアの舞台に日本人が立つことになりました。
この年、山岸選手はオープンクラスに出場し、第13位という結果でした。
ミスターオリンピアに日本人が出場したという、日本ボディビル界にとって偉大な一歩であったと思います。
その後も山岸選手は2009年から2012年の間ミスターオリンピアのオープンクラスに出場しますが、上位に入ることはできませんでした。
しかし、2013年に出場したアーノルドクラシックでは5位という好成績を収めています。
2014年からは軽量の選手が出場する212クラスへ転向しました。もともと背の低い山岸選手が上位で戦うための戦略的な転向でした。
212クラスに転向してからの山岸選手の活躍は凄まじく、2014年のタンパプロでいきなり優勝を果たします。それから2014年ミスターオリンピアでは4位、2015年ミスターオリンピアでは3位と世界最高峰のミスターオリンピアで2年連続で上位への入賞を果たします。
そして2016年に出場したアーノルドクラシックで、山岸選手は第1位となりました。
世界的に有名なボディビル大会で、唯一の日本人選手が優勝した記念すべき瞬間でした。
再びミスターオリンピア出場へ
2018年、山岸選手は再びオープンクラスでの挑戦を決めました。
アーノルドクラシック、アーノルドクラシックオーストラリアのオープンクラスに出場し、それぞれ10位と5位という成績でした。
これは山岸選手がまだまだオープンクラスで戦えることの証明になったと思います。
そして2019年の今年、山岸選手は自身のInstagramでもう一度ミスターオリンピアの舞台に立つと宣言しました。
年齢を重ねるごとにチャレンジすることって難しくなってきます。「まあこれくらいでいいか」「自分はこれがちょうどいい」と挑戦よりも安定の方を選びがちです。(それが悪いことではないんですが)
山岸選手は今年で46歳です。212クラスで上位を維持するのではなく、この年齢でまた新たな目標を定めてチャレンジしようとしています。
プロを目指した頃から全く衰えていないそのチャレンジ精神には本当に尊敬します。
日本のボディビルファンとして、またオリンピアのステージで山岸選手の姿が見られるのを楽しみにしています。