2021年9月25日に開催されたボディビル大会アーノルドクラシック。
この大会で、まだ27歳のルーキー、ニック・ウォーカーが衝撃の優勝を果たしました。
今回は2021アーノルドクラシックの感想や優勝したニックの他の選手に比べて優れていた点について書いていこうと思います。
良いステージ&ライティング

プレジャッジではステージにプラットフォームが置かれていて、選手たちはその上でポージングをしていました。最近の大会ではプラットフォームがあるのは珍しいと思いましたね。でも選手たちの前後の位置が揃うので、とても比較しやすいと感じました。
そして、プレジャッジでのライティングがとても素晴らしかったです。
ステージ上にはディスプレイなどの余計な光源がなくバックは暗いトーンで、選手を照らすのはシンプルなスポットライトのみで選手たちの体を明確に見ることができる絶妙なライティングだったように思います。
ファイナルではプラットフォームは取り除かれていました。
ライティングは、選手たちの後ろにかなり明るめのディスプレイがあったことと、上から選手たちを照らしていたのが強いピンクのライトだったこともあり、
私は少し見にくかったと感じましたね。ただこれはボディビルコンテストのショーとして側面を考えると仕方がないかなと思います。
ルーキー、ニック・ウォーカーが優勝!

さて、今回のアーノルドクラシックは優勝候補だった選手たちがこぞって出場を断念するということが起こり、トップになるチャンスが大きく広がった大会でした。
例年、そのような選手たちに阻まれていたアキム・ウィリアムス、マックス・チャールズ、スティーブ・クークロのような歴戦の選手たちにとっては、
優勝を狙うチャンスとなったわけですが、そうは問屋が卸さなかった。
「今年こそは俺が」とベテラン勢が野心を燃やしたであろう今大会で、優勝を掻っ攫ったのは27歳の若きルーキー、ニック・ウォーカーでした。
ニックだけではありません。2位にはイアン・ヴァリエレ、4位にはジャスティン・ロドリゲスと、最近頭角を現し始めていた選手が、
オリンピアンたちを退けて上位に入るという、何か新しい波を感じさせる結果となりました。
優勝したニック・ウォーカーは大会前から注目株でしたよね。
ルーキーらしからぬ体に加えて、このアーノルドクラシックでは優勝を狙っていくという発言もありました。
この強気の発言を生意気だと受け取る人もいたかもしれないですが、彼はただのビッグマウスというわけではなくて、他の選手に対してしっかりと敬意を持っています。
大会直前に欠場が発表されたウィリアム・ボナックに当てたメッセージからも、彼が人格者であり、スポーツマンシップがあり、冷静な人物であるということが伺えます。
そんなニックが優勝を狙うと発言したわけですから、個人的にそこには非常に期待しましたね。
ニックが優勝した理由

大会当日のステージでも登場の時からニックは自信を漲らせていました。立ち居振る舞い、表情がとても堂々としていて、それだけでもカッコよかったですね。
そして体の方ももちろん素晴らしかった。
イアン・ヴァリエレやスティーブ・クークロと比較した時にニックの体には深いセパレーションがありました。
一つ一つの筋肉が深いセパレーションの谷によってしっかりと把握することができる。これがサイズだけでは出せない魅力を与えています。
特に、腕、腹筋、太腿のセパレーションは他2選手と比較して、圧倒的にニックが優れていました。
そしてポージングの時にあまり、動かないところもよかったですね。
ボディビルのポージングってかなり力が入っているらしいので、ポーズを撮り続けるのってすごく辛いらしいんです。
なので、時々ポーズを取り直して、力を入れ直す選手が多いわけですけど、ニックは一度ポーズを決めたらほとんど動きません。
ジャッジは選手を順番に見ていて、常に見てくれているわけではありません。
ポーズをキープできていることは、いつ見られても最高の体を見てもらえるという利点があります。
というわけで、ニックのポージングもよかった。
ただ、フリーポーズではほとんど音楽が流れる中で、基本のポージングをしていただけでしたね。
他の選手がやっているような、音楽に合わせた彼なポージングは無かったです。
まあ、これも小細工は必要ないという自信の現れなのかもしれませんが、工夫を凝らしたフリーポーズはボディビルの楽しみの一つなので、そこにも力を入れて欲しいとは思いました。
2週間後はミスターオリンピア
ということで、優勝はニック・ウォーカーとなりましたが、約2週間後にはミスターオリンピアが控えています。
ニックのほか、ジャスティン・ロドリゲス、イアン・ヴァリエレ、アキム・ウィリアムス、ハッサン・ムスタファもオリンピアにも出場予定です。
アーノルドクラシックではなく、このオリンピアに照準を合わせている選手もいるでしょう。
なので今回の順位がそのままオリンピアの順位の参考になるかというと、そうなならない気がします。
ただ、このアーノルドでニックの存在感に箔がついたのは間違いありません。
このニックが、そしてイアン、ジャスティンがオリンピアではどんなパフォーマンスを見せるのか、そして、今回はいなかったトップの選手たちと比べた時にどう見えるのか、めちゃくちゃ楽しみです。
ボディビルの順位
最後に、全ての順位を記載しておきます。
- 第1位:ニック・ウォーカー
- 第2位:イアン・ヴァリエレ
- 第3位:スティーブ・クークロ
- 第4位:ジャスティン・ロドリゲス
- 第5位:アキム・ウィリアムス
- 第6位:セルジオ・オリバJr
- 第7位:モハメド・エル・エマム
- 第8位:マックス・チャールズ
- 第9位:ハッサン・ムスタファ
- 第10位:スン・チュル・リー